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日韓の学生ら対馬の海岸で漂着ごみ清掃 被害深刻、対策を話し合う
2024.09.03
海岸への漂着ごみが多い長崎県対馬市が、海岸清掃を体験し、海洋ごみ問題について学ぶ催しを相次いで開いた。日韓の学生や企業関係者らが島を訪れ、現状や課題を学んだ。
韓国まで約50キロの対馬市には海流や風の影響もあり、外国からとみられるポリ容器などのごみが大量に漂着し、環境や漁業への影響が心配されている。市は日韓双方で漂着ごみ問題に取り組もうと、8月24日に海岸清掃とワークショップを開いた。
井口浜海水浴場(同市上県町佐護)で行われた海岸清掃には、市民のほか、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)や韓国の釜山外国語大の大学生らが参加。17立方メートルのごみを回収した。
その後、市内の公民館で講演とパネルディスカッションがあった。「日韓の学生が漂着ごみを拾った体験を後輩につなげていることに希望を感じた」「母国語の異なる学生のペアがお互いの言語を教えあう学習で、漂着ごみが題材になる」といった発言があった。
長崎県立大3年の尾関姫衣(めい)さん(21)は「自分たちは韓国のごみが多いと感じるが、日本のパッケージを見慣れていない韓国人は日本のごみも多いと感じている。同じ大学の学生でも認識の違いは大きく、身近な友達に発信するのは大切だと思う」と話した。
◇
市は7月、福岡市でシンポジウムを開催。国内外の研究者や企業関係者らが、対馬の漂着ごみの現状や、海洋プラスチックごみと循環経済のテーマで討論した。
参加者の一部は対馬を訪れ、ごみが流れ着く海岸を視察して清掃に協力。発泡スチロールやプラスチックごみを破砕する施設を見学し、シーカヤックで海からも海岸線を視察した。
福井市でリサイクル関連事業などに取り組むソリッドラボ代表取締役の黒田悠生さん(36)は、もともとプラスチックの大量生産に関わっていたという。ドキュメンタリー映画で海洋プラスチックごみの問題を知り、作った後のことも考えたものづくりをしなければ、と気づいた。
対馬を視察して「福井より圧倒的に多くのごみが漂着し、処理が大変だと理解できた」という。「ものづくりを通して、ごみを単に埋め立てるだけでなく、新しい価値に変える活動をしていきたい」と語った。
海岸清掃や啓発活動に取り組む対馬CAPPAの末永通尚理事(53)は「対馬の現状を知ってもらい、企業や団体から協力の申し出をいただいた。今後は化学、プラスチック、飲料のメーカーなどにも働きかけていきたい」と話した。(エリアリポーター・佐藤雄二)
韓国まで約50キロの対馬市には海流や風の影響もあり、外国からとみられるポリ容器などのごみが大量に漂着し、環境や漁業への影響が心配されている。市は日韓双方で漂着ごみ問題に取り組もうと、8月24日に海岸清掃とワークショップを開いた。
井口浜海水浴場(同市上県町佐護)で行われた海岸清掃には、市民のほか、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)や韓国の釜山外国語大の大学生らが参加。17立方メートルのごみを回収した。
その後、市内の公民館で講演とパネルディスカッションがあった。「日韓の学生が漂着ごみを拾った体験を後輩につなげていることに希望を感じた」「母国語の異なる学生のペアがお互いの言語を教えあう学習で、漂着ごみが題材になる」といった発言があった。
長崎県立大3年の尾関姫衣(めい)さん(21)は「自分たちは韓国のごみが多いと感じるが、日本のパッケージを見慣れていない韓国人は日本のごみも多いと感じている。同じ大学の学生でも認識の違いは大きく、身近な友達に発信するのは大切だと思う」と話した。
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市は7月、福岡市でシンポジウムを開催。国内外の研究者や企業関係者らが、対馬の漂着ごみの現状や、海洋プラスチックごみと循環経済のテーマで討論した。
参加者の一部は対馬を訪れ、ごみが流れ着く海岸を視察して清掃に協力。発泡スチロールやプラスチックごみを破砕する施設を見学し、シーカヤックで海からも海岸線を視察した。
福井市でリサイクル関連事業などに取り組むソリッドラボ代表取締役の黒田悠生さん(36)は、もともとプラスチックの大量生産に関わっていたという。ドキュメンタリー映画で海洋プラスチックごみの問題を知り、作った後のことも考えたものづくりをしなければ、と気づいた。
対馬を視察して「福井より圧倒的に多くのごみが漂着し、処理が大変だと理解できた」という。「ものづくりを通して、ごみを単に埋め立てるだけでなく、新しい価値に変える活動をしていきたい」と語った。
海岸清掃や啓発活動に取り組む対馬CAPPAの末永通尚理事(53)は「対馬の現状を知ってもらい、企業や団体から協力の申し出をいただいた。今後は化学、プラスチック、飲料のメーカーなどにも働きかけていきたい」と話した。(エリアリポーター・佐藤雄二)