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将来の自立の手助けに 中津市が障害者の料理教室開催
2024.11.22
障害のある人たちに料理を学んでもらい、自立の手助けをする講座を大分県中津市教育委員会が開いている。子どもの将来を心配する保護者らの要望を反映した事業で、「子どもの手料理を初めて食べて感激した」などの声も出ている。
講座は、公民館などを活用した「生涯を通じた障がい者の学び支援事業」。県の委託を受けて昨年度から開いている。主な対象は、特別支援学校を卒業し、学ぶ機会が減る知的障害や発達障害がある人で、今年度は16歳から37歳までの14人が参加している。
9月29日、三光コミュニティーセンターであった講座には14人全員が参加。同市耶馬渓町で地元の食材を生かした飲食店を営む窪田エツ子さん(72)が講師を務め、酢飯に卵焼きや野菜をのせたカップずしと、塩からあげを作った。
からあげの鶏肉は包丁でなく調理ばさみで切り、味付けは袋に調味料を入れてもむ。2年目の参加になる是末祐仁(ゆうじん)さん(22)は大量の肉を揚げる担当をこなし、達成感を感じていた。「単身赴任しているパパのところに行って、今日の料理を作ってあげたい」と笑顔をみせた。
母親の恵美さん(54)によると、祐仁さんは人が集まる場所はあまり得意ではないが、この日は楽しそうに参加していたという。「親の方が早くいなくなるので、こうした場を通じて周囲の支えを素直に受けられるようになってほしい」
市教委は講座の内容を決めるにあたり、保護者の話を聞いた。「発達障がい児親の会 たんぽぽの会」の板木和代さん(52)は「会員からは『食べることは生きることにつながるので、料理を教えてほしい』と要望が出ていた。回を重ねるごとに子どもたちの出来ることが増えていけばいいと思います」。
講座は今年度、計9回開く予定。家庭料理のほかに、将来の職業選択も見据えてパン作りやそば打ちも体験する。「体を動かす機会もほしい」という要望を受け、運動のプログラムも取り入れている。
市教委の森園敬一生涯学習推進室長は「これからも保護者の要望を聞きながら、実生活に結びつく学びを提供していきたい」と話している。
県教委社会教育課によると「学び支援事業」に加わっているのは6市。複数年実施している豊後大野市は料理講座や風船バレー、由布市は中高校生のボランティアも参加して夏祭りなどを実施している。(ライター・大畠正吾)
講座は、公民館などを活用した「生涯を通じた障がい者の学び支援事業」。県の委託を受けて昨年度から開いている。主な対象は、特別支援学校を卒業し、学ぶ機会が減る知的障害や発達障害がある人で、今年度は16歳から37歳までの14人が参加している。
9月29日、三光コミュニティーセンターであった講座には14人全員が参加。同市耶馬渓町で地元の食材を生かした飲食店を営む窪田エツ子さん(72)が講師を務め、酢飯に卵焼きや野菜をのせたカップずしと、塩からあげを作った。
からあげの鶏肉は包丁でなく調理ばさみで切り、味付けは袋に調味料を入れてもむ。2年目の参加になる是末祐仁(ゆうじん)さん(22)は大量の肉を揚げる担当をこなし、達成感を感じていた。「単身赴任しているパパのところに行って、今日の料理を作ってあげたい」と笑顔をみせた。
母親の恵美さん(54)によると、祐仁さんは人が集まる場所はあまり得意ではないが、この日は楽しそうに参加していたという。「親の方が早くいなくなるので、こうした場を通じて周囲の支えを素直に受けられるようになってほしい」
市教委は講座の内容を決めるにあたり、保護者の話を聞いた。「発達障がい児親の会 たんぽぽの会」の板木和代さん(52)は「会員からは『食べることは生きることにつながるので、料理を教えてほしい』と要望が出ていた。回を重ねるごとに子どもたちの出来ることが増えていけばいいと思います」。
講座は今年度、計9回開く予定。家庭料理のほかに、将来の職業選択も見据えてパン作りやそば打ちも体験する。「体を動かす機会もほしい」という要望を受け、運動のプログラムも取り入れている。
市教委の森園敬一生涯学習推進室長は「これからも保護者の要望を聞きながら、実生活に結びつく学びを提供していきたい」と話している。
県教委社会教育課によると「学び支援事業」に加わっているのは6市。複数年実施している豊後大野市は料理講座や風船バレー、由布市は中高校生のボランティアも参加して夏祭りなどを実施している。(ライター・大畠正吾)