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「クレマチスの丘」復活を ボランティアら閉館の美術館庭園を手入れ

2025.03.08
 閉館した旧ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡県長泉町)で8日、町民らボランティアによる庭園の保全・清掃活動があった。雪もちらつくなか、丁寧に庭園の手入れにあたる参加者たちがめざしているのは、「クレマチスの丘」の復活だ。
 町と、ながいずみ観光交流協会が開いたもので、町内外から集まったボランティアや町と県の職員ら総勢約40人で庭園の手入れにあたった。まもなく華やかに咲く春バラの株元に肥料を与えたり、庭園のシンボル「鏡池」を清掃したりした。沼津市の長沢千世実さん(66)は「また多くの人に庭を見てもらいたいという思いで参加した」。
 美術館は2002年、富士山麓(さんろく)の見晴らしのいい丘陵地「クレマチスの丘」に開館した。約2万4千平方メートルの敷地にある庭園にはさまざまな品種のクレマチスが四季折々に咲き、一年を通してクレマチスを鑑賞できる場所として首都圏からも花の愛好家が訪れていた。
 ただ、コロナ禍で経営が行き詰まり、23年9月末で閉館。長泉町はクレマチスの苗木のシェア6割を占める日本一の産地で、「クレマチスの丘」の復活は町の悲願となっている。
 24年2月に土地や建物などを無償譲渡された県は施設の利活用について検討を重ね、東部・伊豆地域の文化拠点となる県の新たな文化施設と位置づけ、26年度以降の開館をめざすことなどを示した基本計画をまとめた。25年度は民間からの提案を試行する「トライアル・サウンディング」を実施するという。
 町も誘客によるにぎわい創出を進める。22日には恒例のさくらフェスタを開催し、5月25日にクレマチスガーデンマルシェを開くため、25年度の当初予算案に300万円を計上した。
 県スポーツ・文化観光部の横山雅機理事は「クレマチスの丘に、にぎわいを取り戻したい」と語った。(南島信也)