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ろう者のひと言きっかけ、日本映画バリアフリー字幕で 彦根で上映へ

2025.03.08
 「字幕がないから、日本映画は見ないよ」。きっかけは、耳が不自由な知人のひと言だった。日本映画の字幕つき第1回自主上映会が4月、滋賀県彦根市内である。
 主催は「彦根シネマクラブ リエゾン」。彦根市の会社員内堀弘司(ひろし)さん(62)が自主上映のためにつくった。音がつながる意味のフランス語に思いを込めて命名した。
 せりふに加え、効果音や音楽などの音情報も文字で伝える「バリアフリー字幕」をめざす。
 10月に県内である全国障害者スポーツ大会(障スポ)でボランティアをするため、内堀さんは2年前から手話を学ぶ。
 そんななか、冒頭のひと言を聞いた。「音が聞こえない」ことを改めて突き付けられたようで、少しショックに感じた。
 ろうの人が見るのは洋画が多いと知り、映画好きの内堀さんはこの活動を思いついた。「バリアフリー字幕は耳が聞こえる人も映画の理解が深まる」のが長所だと話す。
 初回上映は「こころの通訳者たち What a Wonderful World」(山田礼於監督)。耳の聞こえない人に演劇を伝える舞台手話通訳者の記録を目に見えない人に伝える――。その奮闘を追う作品だ。
 初回は手話に関する作品だが、今後は娯楽作品も扱いたいという。
 上映は4月26日の午前10時半と午後1時半。彦根市小泉町のプロシードアリーナHIKONE多目的会議室。オンラインチケット800円の前売りのみ。詳しくはホームページ(https://www.cinematic-hikone.info/)で。(小西良昭)