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二胡の音色をすべての人に 風船の振動で楽しむ演奏会、普光寺で
2025.04.11

聴覚に障害のある人(ろう者)に、風船を通して伝わる振動で楽器の音色を感じてもらいたい――。普光寺(静岡県清水町)の増田元仁副住職(52)と妻の美和さん(52)が、誰もがともに楽しめる二胡(にこ)のコンサートを寺で開いた。「今後は演奏会以外にもチャレンジしたい」と意気込む。
境内には樹齢150年超の桜の大木があり、2008年から「桜の会」を開いてきた。今年の桜の会では県東部を中心に活動する二胡奏者の高橋俊樹さんの演奏会を開くことにした。ここから聴覚に障害のある人も楽しめるコンサートの企画が動き始めた。
美和さんは「所作の美しさ」にひかれ手話を始め、1974年に設立された町内の手話サークル「あゆの会」に参加している。2024年4月に町で施行された手話言語条例制定で大きな役割を果たした団体だ。
音楽大学でピアノを専攻し、音の振動を風船で伝えるコンサートの存在自体は知っていた。
ただ、ろう者の中には「私たちにはわからない」と音楽を敬遠する人もいるといい、サークルで恐る恐る計画を切り出した。
すると、聴覚障害のある仲間から「そんな演奏会ができたら楽しいと思う」と好意的な反応があり、実現に向けチャレンジすることにした。
美和さんによると、5日夜に普光寺本堂で開いた演奏会では、耳の聞こえない人も、聞こえる人も全員が風船を持ち、高橋さんが奏でる二胡の音色を振動で感じた。町社会福祉協議会が派遣したボランティアの手話通訳が、高橋さんの曲紹介を手話で伝えた。約90人が集まり盛況だったという。
美和さんは「音楽は嫌かも、という思い込みがあった。何を楽しみたいかを決めるのはろう者の方々だと改めて気づいた」と話す。(南島信也)
境内には樹齢150年超の桜の大木があり、2008年から「桜の会」を開いてきた。今年の桜の会では県東部を中心に活動する二胡奏者の高橋俊樹さんの演奏会を開くことにした。ここから聴覚に障害のある人も楽しめるコンサートの企画が動き始めた。
美和さんは「所作の美しさ」にひかれ手話を始め、1974年に設立された町内の手話サークル「あゆの会」に参加している。2024年4月に町で施行された手話言語条例制定で大きな役割を果たした団体だ。
音楽大学でピアノを専攻し、音の振動を風船で伝えるコンサートの存在自体は知っていた。
ただ、ろう者の中には「私たちにはわからない」と音楽を敬遠する人もいるといい、サークルで恐る恐る計画を切り出した。
すると、聴覚障害のある仲間から「そんな演奏会ができたら楽しいと思う」と好意的な反応があり、実現に向けチャレンジすることにした。
美和さんによると、5日夜に普光寺本堂で開いた演奏会では、耳の聞こえない人も、聞こえる人も全員が風船を持ち、高橋さんが奏でる二胡の音色を振動で感じた。町社会福祉協議会が派遣したボランティアの手話通訳が、高橋さんの曲紹介を手話で伝えた。約90人が集まり盛況だったという。
美和さんは「音楽は嫌かも、という思い込みがあった。何を楽しみたいかを決めるのはろう者の方々だと改めて気づいた」と話す。(南島信也)