募集情報

4/14 熱田敬子さん「”健気な被害者”を見たいのは誰ー映画『二十二』は中国の日本軍戦時性暴力の何を描かなかったか」(連続講座『映画が映す東アジア〜ジェンダー、セクシュアリティ、社会』第4回)(一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ)

イベント
掲載日 2024.04.10
更新日 2024.04.10
掲載終了日 2024.06.01

東京ボランティア・市民活動センター

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  • 活動地域
    • 北区
    • オンライン・その他
  • 場所
    オンライン開催(字幕あり、会場・オンライン併用)
  • 開催日時
    2024年4月14日(日)
    「18:00-20:00」「日曜日」「オンライン併用」
  • 募集締切日
    2024年5月31日(金)
  • 活動分野
    • 医療・福祉・人権
    • 子ども・教育
    • 文化・芸術
    • 地域活性・まちづくり・観光
    • 災害救援・地域安全活動
    • 多文化共生・国際協力
  • 募集ポイント
    必要スキル
  • 連絡先
  • 備考
    2017年に中国で劇場公開された『二十二』(監督・郭柯)は、撮影当時存命中の、中国に居住し、名乗り出た日本軍性暴力被害者22人を取材したドキュメンタリー映画である。歴史的な背景を語らず、被害者の日常にフォーカスしたこの映画は、中国政府の「愛国」主義と一線を隔すと受けとめられ、大ヒットとなった。そこにあるのは、監督の言葉を借りれば、「歴史の証人」ではない、「素朴」で「普通」の老人としての被害者の姿だった。
 しかし、旧日本軍の戦時性暴力を訴えてきた被害者たちは、実際には激しい「怒り」を持ち、日本政府の責任追及の先頭に立ってきた。映画『二十二』は被害者の怒りを削ぎ落し、中国内外の観客が求める被害者像を見せたのである。
 『二十二』のヒットが問いかけるのは、被害国でも長らく排除、差別の対象となって来た戦時性暴力被害の訴えを、一面的な理解で「愛国」と同一視する「リベラル」な観客の問題であり、かわいそうで健気な被害者を観たい観客の保護主義的欲望である。このような点から見れば、中国社会と日本社会は驚くほど共通性がある。
 本講座では、中国の社会背景、日本軍戦時性暴力被害者の運動について解説しつつ、被害者を弱者として描くことの問題性について考えたい。