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森のササユリ、シニアが守る 数の減少を乗り越えて 甲賀市の団体

2025.06.02
 滋賀県甲賀市水口町のみなくち子どもの森で、今年もササユリが咲きはじめた。一時は開花する花が減ったものの、市内のシニア世代でつくる「ささゆりサポート隊」の尽力で復活。そのメンバーが8日まで現地を案内してくれる。
 園内の里山に設けられた石段を下りていくと、通路のすぐ脇で、一輪の薄いピンク色のササユリの花が咲いていた。ガイドの後ろを歩いていた女性は、花に顔を近づけて「桃っぽい、甘いにおいがする気がします」と言って喜んだ。
 5月31日、サポート隊によるボランティアガイドが始まった。5月末~6月上旬に園内で咲くササユリの自生地などを案内するもので、毎年200人ほどが参加する。
 この日のガイドを担当した浦田好造さん(83)によると、サポート隊のメンバーは二十数人。60歳以上の人たちが新しい知識や教養、技術を身につける「県レイカディア大学」の卒業生だ。
 サポート隊の仕事は多岐にわたる。毎年2~3月ごろに里山のササクサを刈り、日光が地面に届くようにする。3~4月ごろはイノシシなどの獣害対策として柵やネットを張る。ほかにも球根を育てたり、それを自生地とは別の場所に植えたり――。「色々と教えてもらいながら、試行錯誤でやっています」と浦田さんは話す。
 里山の自然環境を学べる場にと、2001年に開園した園内には、ササユリが自生している。05年ごろまでは約130株が開花していたが、10~12年には約50株に減った。
 市内に住むレイカディア大園芸学科の卒業生4人が、「何とかしなくては」と12年にサポート隊を結成。ササクサを刈るといった活動に乗り出した。そのかいあって、20年ごろには約90株に回復。23年は約150株、昨年は200株以上がそれぞれ開花した。
 年々増えているササユリの花を「多くの人に見てもらおう」と、22年からはボランティアガイドの活動も始めた。
 今年の開花は例年より遅れているが、「気温が上がれば一気に咲く」と浦田さん。一度咲けば、1週間から10日ほど楽しめるという。
 ボランティアガイドは8日まで。平日は午前10時からの1回、土日は午前10時と午後2時からの2回。問い合わせは、みなくち子どもの森(0748・63・6712)。(北川学)