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パレスチナの子ら傷つけないで 絵本作家21組「つながる世界」展 9日まで神宮前のギャラリーで

2025.08.06
 その爆弾の先にはだいじなだいじな人がいる-。イスラエルによる爆撃が続くパレスチナの子どもたちをもう傷つけないでほしいと、21組の絵本作家が東京都渋谷区神宮前のピンポイントギャラリーで、絵画展「つながる世界」を開いている。(鈴木久美子)

 企画した絵本作家、吉田尚令(ひさのり)さん(54)は「1万8千人もの子どもたちが命を失っているときに、児童書を作っている僕らが沈黙しているのは、違うと思った」と動機を話す。

 ロシアのウクライナ軍事侵攻に比べ、イスラエルによるパレスチナ攻撃は反対の声を上げる人が少なく、歯がゆくもあったという。知り合いを通じて呼びかけ、19人と2ユニットの計21組の絵本作家が参加。京都を皮切りに今回の東京、広島、福岡など1年かけて全国を巡回する。

 そこにあるはずだった家族のだんらんや、宇宙から見える日本とパレスチナの絵など21の作品は、作家のメッセージとともに展示されている。制作に際し作家が自分に何ができるのかと立ち止まり、改めて戦争に向き合った。小さな意思表示が波のように広がればと願いが込められている。

 「絵本を入り口に、これまで関心がなかった人にもパレスチナを見てもらう機会にしたい」。吉田さんはそう語る。

 9日まで、正午~午後7時(9日は午後5時まで)。入場無料。絵画とともに、パレスチナの支援活動を30年以上続けるNPO法人「日本国際ボランティアセンター」の写真も展示し、現地の状況を伝える。絵画のポストカードを販売し、経費を除いた売り上げを同法人のパレスチナ緊急支援活動に寄付する。