お役立ちネタ帳

連載:第2回 「おもてなし」講師が教える、東京案内 とっさの英語フレーズ

掲載日:2019.07.31

第2回:わからないとき、聞き返すとき、スマートに切り返せる英語表現

Hello again!
こんにちは。金井(かない)さやかです。
講座担当や外国人おもてなしの実体験をふまえ、すぐに使える英語フレーズや異文化コミュニケーションのコツをお伝えする、連載第2回です。

まず、あなたに質問があります。
「日本語・英語を問わず、相手が言っていることがわからないとき、すぐに聞いて確認せずに、そのまま話が進んでしまった経験はありませんか?」

私が担当している「外国人おもてなし語学ボランティア」講座でも、このような質問をすることがあります。すると、一クラス最大60名の参加者のうち、実に8割ほどの方が手を挙げます。
理由を聞くと、
  (1)話を遮ったら悪いかな、と遠慮した
  (2)質問するタイミングを逃した
という方が大半です。中には
  (3)理解するのをあきらめた、というケースもあります。
「もう少し聞いたらわかるかなと思ったが、結局わからず、その部分はごまかした」のは、恥ずかしながら昔の私です。

人と話していて、わからないことが出てきたり聞き返したくなったりするのは珍しいことではありません。むしろ、背景知識や視点が異なるものどうしなら、「わからない、は当たり前」です。
英語でのやり取りにも、恐れることなく聞き返しや確認を取り入れましょう。

【聞き返し、確認の英語フレーズ】

▶Could you say that again, please?  (もう一度おっしゃっていただけますか)

 上記は英会話のフレーズ集でも見かける、定番の「聞き返し」表現です。
 "Could you" の文は丁寧なので幅広く使えます。
 同じ構文で、もう一つ役立つフレーズはこちら。
 街中のざわついた場所や、電話での声が聞こえにくい時など、相手に声のボリュームを上げてほしいときに使います。

▶Could you speak up, please?  (もう少し大きな声でお話しいただけますか)

 私たちがこう言われたら、相手に聞こえるように声を大きめに、はっきりと話します。
 このような表現は、何度も口に出して、とっさに出てくるようにしておきたいですね。

 次はさらに、もっと簡単に聞き返せる方法です。
 例として、私の学生時代の実話から。
 文化祭の出し物でクラスの友人たちとダンスをしたのを見て、外国人の先生が
 "You are a good choreographer." と言ってくれました。
 (choreographer:強引にカタカナにすると、カリィオグラファー)
 当時の私は、この単語のスペルも意味もわかりませんでした。
 そこで、次のように一言。

▶Choreographer?  (Choreographer、ですか?)

 このように、わからない単語や表現を、語尾を軽く上げて繰り返すと、「正しく聞けていますか」「この単語の意味がわかりません」といったニュアンスで相手に確認ができます。
 実際、このときは先生がジェスチャーと言葉で説明してくれたので、私も「振付をする人」のことだと理解できました。
 この方法なら、相槌を打つ程度の労力でわからなかったことを確認でき、コミュニケーションもスムーズです。

【わからない、答えられないときの英語フレーズ】

街中や駅で道を尋ねられたときなど、質問は理解したけれど自分も行き方を知らない場合がありますね。その際は、以下のように伝えてはどうでしょうか。

▶I don’t know much about this area. (このあたりのことはよく知らないんです)

 ただ、これで会話を終わりにしないで、時間に余裕がある場合は調べたり聞いたりして答えられると親切ですね。

▶Sorry, I'm not sure. Let me check. (ごめんなさい。よくわかりません。確認させてください)
▶Let me ask someone. (他の人に聞いてみます)
▶Let me ask the station staff. (駅員さんに聞いてみます)

あるとき、「外国人おもてなし語学ボランティア」講座担当の帰りにJR 東京駅構内を歩いていたら、大きなスーツケースを持った外国人2人組を見かけました。その2人に駅員さんが乗り場の案内をしていて、通りすがりに聞こえて来たのは英語でした。
特に珍しい光景ではないかもしれませんが、電車についての様々な情報を持っているプロが英語で対応できる状態になってきたのだな、と嬉しくなりました。

【東京案内で使える具体例~東京駅にて】

▶Let me take you to the Travel Service Center.
 It's the tourist information center located near the Marunouchi North Exit.
 (トラベルサービスセンターにお連れしましょう。
 これは旅行者のための案内所で、丸の内北口のそばにあります)
▶Let me take you to ~.  (~までお連れしましょう)

「わからない」は誰にでもあること。聞き返しを恐れず、コミュニケーションを楽しみたいですね!

【執筆者プロフィール】

金井さやか

英語コーチ、講師トレーナー、パフォーマー。
「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座でも講師として活躍。
大学時代にパントマイムを習い始め、卒業後、企業(教育)で仕事をする傍ら、
海外公演の通訳兼パフォーマーとして渡英。
その経験を生かし、会社では英語事業部リーダーとして、子供の英語指導や
講師トレーナーを務めてきた。
現在は子育てをしながら、英語指導、学習情報の発信を行うとともに雑誌・書籍と
いった各種メディアへの寄稿も多数行うなど、多彩な才能を発揮。その豊富な経験と
パワフルな英語コーチングが生徒の心を掴んでいる。