お役立ちネタ帳

連載:第6回 「おもてなし」講師が教える、東京案内 とっさの英語フレーズ

掲載日:2019.11.27

第6回:クリスマス時期や新年に使える、季節に合わせた英語表現

Hello again! 金井(かない)さやかです。
ハロウィンが終わったと思ったら、街にはクリスマスの飾りつけが目立つようになってきました。
クリスマスにはたくさんの人がケーキを食べるなどして祝い、その翌週、お正月になると神社やお寺が初詣の参拝客でにぎわう……。
海外の人にとっては一貫性なく見えるでしょうが、楽しいもの、ビジネスに生かせるものは何でも取り入れる、日本の人々の柔軟性や商売人魂が垣間見えると思いませんか。
東京が江戸と呼ばれていた時代から続く、人々のこういったエネルギーが東京を魅力的な都市にしてきたのでしょうね!
今回も、講座担当や外国人おもてなしの実体験をふまえ、すぐに使える英語フレーズや異文化コミュニケーションのコツをお伝えします。
連載第6回、どうぞお付き合いください。

【クリスマス、年末時期の英語表現】

Merry Christmas to you! (楽しいクリスマスを!)

こんな風に言われたら、何と返しましょうか?
次のように言えれば、自然な感じで相手も嬉しくなります。

Thank you. Merry Christmas to you, too! (ありがとう、あなたも楽しいクリスマスを!)

クリスマスは、キリストの生誕を祝う行事です。
つまり、本来はキリスト教の行事ですね。

""Merry Christmas!"" はよく知られた英語表現ですが、キリスト教徒(Christian)でない方々にとっては、不適切な挨拶と受け取られる可能性があります。
相手の宗教がわからないときなどは、""Happy Holidays!""(素敵なホリデーシーズンをお過ごしください!)と宗教色のない言葉をかけることができます。

▶Happy Holidays! (楽しい休暇を!)

▶Merry Christmas! (楽しいクリスマスを!)

▶Happy Christmas! (素敵なクリスマスを!)

▶Merry Christmas and Happy New Year! 
(楽しいクリスマスを過ごして、素敵な年をお迎えください!)

▶Happy Christmas"" は、イギリス英語圏でより使われているようです。

▶Happy Hanukkah! (素敵なハヌカを!)

ユダヤ教では年中行事として「ハヌカ(ハヌカ―)」を祝います。

このように、英語のちょっとした挨拶にも、文化的な違いへの配慮をしたいところです。
ちなみにアメリカでは、大統領が ""Merry Christmas"" と言うことに対して、よく議論になります。
宗教だけでなく政治的な立場の違いも原因になっているようです。
また、中立であるはずの ""Happy Holidays!"" を言われることで、キリスト教徒は逆に否定された気持ちになるなど、立場によって意見が異なるため、言葉を選ぶのも難しいですね。

このように書いてくると、「何と声をかければいいのか、わからない!」と迷われるかもしれません。
迷ったら、「よいお年を!」と日本語でもいいのです。
""Have a nice day!""(良い一日を!)といつもの表現でもいいのです。
ぜひ迷いのない笑顔で、コミュニケーションしましょう!

【年末年始にまつわる英語表現】

12月31日、大晦日は英語で ""New Year's Eve"" (新年の前の晩)といいますね。
海外から来た人との会話で、年越しの過ごし方を話題にしてみてはいかがでしょうか。

▶Do you celebrate New Year's Eve in your country? 
(あなたの国では、大晦日を祝うことはしますか)

▶How do you celebrate New Year's Eve? 
(大晦日をどのようにお祝いしますか)

上記は、習慣・慣例としての行動について尋ねています。

▶How are you going to celebrate New Year's Eve? 
(大晦日をどのようにお祝いしますか)

こちらは、be going to の形を使うことで、相手がこの先予定している行動について尋ねています。

▶How do you ~ が「普段どうしている?」といった感じ、
▶How are you going to ~ なら「今年はどうする?」といった感覚ですね。

そして、年が明けたら、出会う人たちに笑顔でこう言いましょう。

▶Happy New Year! (明けましておめでとう!)

【日本文化について話す具体例~年越しそば】

外国人の「なぜ」に答える、こんな英文を書いてみました。
難解な単語を使わず、会話ができますので参考にどうぞ!

▶How do you celebrate New Year's Eve in Japan? 
(日本では大晦日をどのように祝いますか)

▶Many people eat soba noodles on New Year's Eve.
 We believe that long soba is a symbol of long, healthy life.
 Also, we wish to end the bad luck by eating soba because soba noodles are easily cut.
(多くの人がそばを食べます。
 私たちは、長いそばを、長生きや健康で生きることの象徴であると信じています。
 また、そばは簡単に切れるので、そばを食べて不運を終わりにしたいとも願うのです)

他の国の人の文化や習慣を知ることで、自分の国の文化や習慣についても、より注意深く観察でき、学ぶことができると私は思います。
私も、年を越しても学び続けたいと思います!

【執筆者プロフィール】

金井さやか

英語コーチ、講師トレーナー、パフォーマー。
「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座でも講師として活躍。
大学時代にパントマイムを習い始め、卒業後、企業(教育)で仕事をする傍ら、
海外公演の通訳兼パフォーマーとして渡英。
その経験を生かし、会社では英語事業部リーダーとして、子供の英語指導や
講師トレーナーを務めてきた。
現在は子育てをしながら、英語指導、学習情報の発信を行うとともに雑誌・書籍と
いった各種メディアへの寄稿も多数行うなど、多彩な才能を発揮。その豊富な経験と
パワフルな英語コーチングが生徒の心を掴んでいる。