ボランティア関連ニュース(外部記事)

  • 子ども・教育
  • 環境・動物愛護
  • 地域活性・まちづくり・観光

敵対がちな漁師とダイバーが組み海の砂漠化防ぐ 観光や教育とも連携

2025.04.28
 岩手県大槌町の新おおつち漁業協同組合青年部が取り組んできた藻場再生の取り組みが、第30回全国青年・女性漁業者交流大会で水産庁長官賞を受賞した。
 藻場再生事業は、ウニが海藻を食べ尽くす「磯焼け」が深刻化した2019年度に始まった。過剰に繁殖したウニを駆除、移動させて分布密度を適正にする一方、海藻の種苗を着けたロープなどを設置し、繁茂させた。
 21年には町藻場再生協議会を結成し、4年間で140回活動。のべ1149人が参加して約19万個の過剰なウニを駆除した。その結果、磯焼けしていた場所の一部に海藻の群落が確認され、ウニは昨年度、同漁協で過去最高の1億円近い漁獲高になるなど成果も表れた。
 ダイバーでもある芳賀光青年部長(50)は「色んな人を巻き込んで続けた活動が高い評価を受けた」と話す。活動は三陸沿岸の漁師に「敵視」されがちだったダイバーが主になりボランティアで行った。
 また東日本大震災後、「海離れ」を起こしていた小中学生に磯焼けの現場を見せて身近な問題として考えてもらうなどの教育連携イベントも12回行った。今年度は、船越湾だけで行われていた事業を大槌湾でも行う予定だ。(東野真和)