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豪雨災害で水没した家電「諦めない」 元エンジニアら700台を修理

2025.05.11
 エアコン500台、電気給湯器(エコキュート)80台、洗濯機130台…。能登や熊本など日本各地の豪雨災害で被災し、住民が「捨てるしかない」と諦めていた家電を、元エンジニアらのボランティアチームが、この5年間に無償で「復活」させた数だ。昨年からは、石川県珠洲市で活動を続けている。
 チームの名は「チームふじさん」。代表の藤野龍夫さん(73)は、防災ヘリコプターの元整備士。電気系統の修理も担っていた。
 「家電が動く原理や、何が危険かを分かってるし、難しいことはないよ」と藤野さんは言う。水害ではエアコンなどの室外機が水につかることが多いが「ぬれた状態で通電してショートしていなければ、内部の泥やゴミを完全に取り除いて、しっかり乾燥させることで、たいていは動く」。
 だが素人が手を出すには、ハードルが高い。
■メーカーは買い替えを推奨 被災者が「今」を乗り切るには…
 各メーカーがホームページに掲載している浸水時の対応には、相談窓口の連絡先とともに、異物が残っている場合の発火の危険性が記されており「できるだけ買い替えを」などの記載もある。
 藤野さんは「被災して出費がかさむのに、買い替えて、ってそれはないんちゃう? もちろん安全第一の上で、被災者さんがどうすれば今を乗り切れるか、を考えて僕らは動く。まだ使えるんやから」と力を込める。各地で水害が集中するのは6月から9月。片付けをするのは暑い時期で、エアコンが使えれば、熱中症の危険も減る。
 東日本大震災からボランティアを続ける藤野さんが、家電の対応をするようになったのは、5年前に熊本県南部で起きた豪雨災害で、山積みの家電が廃棄されるさまを見たのがきっかけだった。以降、さまざまな被災地で、災害ボランティアセンターなどを通じて住民から依頼を受けている。