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「声に出し理解深まる」小美玉の中学生、10日に戦争体験の証言朗読
2025.08.06

茨城県小美玉市で10日に開かれる「戦争体験講演会」で、市内の中学生らが戦争体験の証言を朗読する。語り手が相次いで鬼籍に入る中、生まれるずっと前の戦禍を後世へ紡ごうと、生徒らは練習に励んでいる。
市教育委員会や有志のボランティアが毎年講演会を重ねており、9回目。戦後70年の2015年以降、コロナ禍の時期を除いて、証言してくれる人を探して続けている。
当初は従軍経験者が中心だったが、体験者らの高齢化に伴い、悲惨な経験を直接、聞くことが難しくなっている。そのため、戦後80年の今年は、子どもらに体験を読み継いでもらうことにした。
参加するのは市内に住む中学生7人。これまでの講演会で6人の体験者が語り残した証言を、代わる代わる朗読する。
その内容は悲惨を極める。
極寒の旧満州(中国東北部)から太平洋のパガン島へ転戦。米軍の機銃掃射にさらされながら海岸でタコを採取して飢えをしのいだ元兵士。
尊敬する兄にならい、軍隊への入隊を志願した弟。戦地で茨城出身の戦友を目の前で失った。帰還して実家に戻り、玄関先で兄の写真と位牌(いはい)に対面して、オイオイと声を上げて泣いた。
中国・青島(チンタオ)へ従軍の看護師として行き、戦後、助産師として活動した女性は、戦地の病院で「おかあさん、おかあさん」と声を上げて亡くなった兵士の声がずっと耳から離れなかった。
「統帥(とうすい)」「歩哨(ほしょう)」――。80年以上前の歴史を振り返る証言には、現代の日常生活では聞くことが減った言葉が頻出する。
今月3日に行われた朗読の練習では、生徒らはつっかえながらも読み上げようと努めた。ボランティアの野手利江さん(62)、山本一惠さん(84)が読み方を優しく手ほどきすると、台本にルビを振っていた。
土浦一高付属中2年の木村優斗さんは、8月6日の広島への原爆投下で父を失った男性の体験談が心に残ったという。「体験談を声に出して読むことで、理解が深まった」
市立美野里中2年の連川凛さんは「自分なりに戦争を考え、その印象を伝えたい」と話した。
講演会は10日午後1時~4時半、市生涯学習センター「コスモス」玉里文化ホールで。生徒らによる朗読のほか、90代以上の戦争体験者3人も講演する予定だ。(鹿野幹男)
市教育委員会や有志のボランティアが毎年講演会を重ねており、9回目。戦後70年の2015年以降、コロナ禍の時期を除いて、証言してくれる人を探して続けている。
当初は従軍経験者が中心だったが、体験者らの高齢化に伴い、悲惨な経験を直接、聞くことが難しくなっている。そのため、戦後80年の今年は、子どもらに体験を読み継いでもらうことにした。
参加するのは市内に住む中学生7人。これまでの講演会で6人の体験者が語り残した証言を、代わる代わる朗読する。
その内容は悲惨を極める。
極寒の旧満州(中国東北部)から太平洋のパガン島へ転戦。米軍の機銃掃射にさらされながら海岸でタコを採取して飢えをしのいだ元兵士。
尊敬する兄にならい、軍隊への入隊を志願した弟。戦地で茨城出身の戦友を目の前で失った。帰還して実家に戻り、玄関先で兄の写真と位牌(いはい)に対面して、オイオイと声を上げて泣いた。
中国・青島(チンタオ)へ従軍の看護師として行き、戦後、助産師として活動した女性は、戦地の病院で「おかあさん、おかあさん」と声を上げて亡くなった兵士の声がずっと耳から離れなかった。
「統帥(とうすい)」「歩哨(ほしょう)」――。80年以上前の歴史を振り返る証言には、現代の日常生活では聞くことが減った言葉が頻出する。
今月3日に行われた朗読の練習では、生徒らはつっかえながらも読み上げようと努めた。ボランティアの野手利江さん(62)、山本一惠さん(84)が読み方を優しく手ほどきすると、台本にルビを振っていた。
土浦一高付属中2年の木村優斗さんは、8月6日の広島への原爆投下で父を失った男性の体験談が心に残ったという。「体験談を声に出して読むことで、理解が深まった」
市立美野里中2年の連川凛さんは「自分なりに戦争を考え、その印象を伝えたい」と話した。
講演会は10日午後1時~4時半、市生涯学習センター「コスモス」玉里文化ホールで。生徒らによる朗読のほか、90代以上の戦争体験者3人も講演する予定だ。(鹿野幹男)