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廃校の学校を美術館に ボランティアが運営する「あーとびる麦生」
2025.09.11

今日もアートが待っているよ――。JR久慈駅から車で約15分。岩手県久慈市侍浜町麦生の里山の集落に、廃校になった小中学校を利用した私設美術館「あーとびる麦生」がある。運営するのは約20人のボランティアスタッフたちだ。
「この作品、見て下さい。とっても力があると思いませんか?」。事務局長の大平喜美子さん(66)が笑顔で見せてくれたのは、パプアニューギニアの子どもたちが描いた絵。貧しい中でもたくましく育った現地の子どもたちは、周囲にある家や動物などを斬新な色使いと力強い筆致で描いている。
教室や音楽室、体育館を改修した展示室には、盛岡の街や猫をモチーフとした作品や、中国の文化に光を当てた作品などが並ぶ。理事長の熊谷行子さん(82)は「毎日、アートの力に圧倒されています」と笑う。
近隣の小中学校との統合で、麦生小中学校が閉校になったのは2009年3月。「学校がなくなっても、絵は残る」と、最後に残った小学生5人と中学生4人に絵画の指導を頼まれたのが、久慈市で創作を続ける画家の熊谷さんだった。
児童生徒たちと、色を塗った卵の殻で校舎や周囲の風景のモザイク画を制作した後、熊谷さんの胸には寂しさが残った。
「まだ使える建物をどうして廃校にしないといけないの? ここは環境も良いし、いっそアートを楽しめる場所に生まれ変わらせたい」。久慈市内に画廊がほしいと願っていた熊谷さんと地域住民らが協力し、10年5月、芸術村「あーとびる麦生」が誕生した。
開館期間は4月から11月までの8カ月間。土日のみ開館で午前10時から午後4時まで。入館料は無料。現在、校舎などは市から貸してもらい、運営費は会員の年会費で賄っている。
9月末には体育館で小中学生のファッションショーも開かれる。熊谷さんは「これまではあまり絵を見たことのなかった人が、ここに来てじーっと絵を見つめて、他の人を呼んできてくれたりする。それがアートの力。ここに来れば、誰でも、無料で、たくさんのアートに出会える。そんな場所を仲間たちといつまでも続けていきたい」と話している。(三浦英之)
「この作品、見て下さい。とっても力があると思いませんか?」。事務局長の大平喜美子さん(66)が笑顔で見せてくれたのは、パプアニューギニアの子どもたちが描いた絵。貧しい中でもたくましく育った現地の子どもたちは、周囲にある家や動物などを斬新な色使いと力強い筆致で描いている。
教室や音楽室、体育館を改修した展示室には、盛岡の街や猫をモチーフとした作品や、中国の文化に光を当てた作品などが並ぶ。理事長の熊谷行子さん(82)は「毎日、アートの力に圧倒されています」と笑う。
近隣の小中学校との統合で、麦生小中学校が閉校になったのは2009年3月。「学校がなくなっても、絵は残る」と、最後に残った小学生5人と中学生4人に絵画の指導を頼まれたのが、久慈市で創作を続ける画家の熊谷さんだった。
児童生徒たちと、色を塗った卵の殻で校舎や周囲の風景のモザイク画を制作した後、熊谷さんの胸には寂しさが残った。
「まだ使える建物をどうして廃校にしないといけないの? ここは環境も良いし、いっそアートを楽しめる場所に生まれ変わらせたい」。久慈市内に画廊がほしいと願っていた熊谷さんと地域住民らが協力し、10年5月、芸術村「あーとびる麦生」が誕生した。
開館期間は4月から11月までの8カ月間。土日のみ開館で午前10時から午後4時まで。入館料は無料。現在、校舎などは市から貸してもらい、運営費は会員の年会費で賄っている。
9月末には体育館で小中学生のファッションショーも開かれる。熊谷さんは「これまではあまり絵を見たことのなかった人が、ここに来てじーっと絵を見つめて、他の人を呼んできてくれたりする。それがアートの力。ここに来れば、誰でも、無料で、たくさんのアートに出会える。そんな場所を仲間たちといつまでも続けていきたい」と話している。(三浦英之)