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水害頻発の秋田に災害福祉支援センター、東北初の常設 社協を支援

2025.09.12
 災害支援を円滑に進めるための常設機関として、秋田県社会福祉協議会は今年度、「県災害福祉支援センター」を設置した。2023年7月の豪雨被害をきっかけに東北6県では初めてできた。今年8月の記録的大雨の被災地のボランティア募集や、各社協への支援や助言などで貢献している。
 9月6日、秋田市の会社員・加藤光誠さん(63)は、8月20日の豪雨で床上浸水した仙北市の民家で土砂を取り除くなどのボランティア活動をした。転勤先の福島県いわき市で東日本大震災を経験。職場では危機管理部門を担当している。
 仙北市でボランティアセンターが立ち上がった初日にも活動した。県災害福祉支援センターが運用を始めたボランティアの事前登録システムにも登録していた。「調べなくてもメールでボランティアの募集情報が届くのでいい」と話す。
 同じく秋田市から参加して旅館の土砂撤去をした男性会社員(58)も事前登録していた。2年前の豪雨で町内会長をしていた地区が被災し支援を受けた。募集のメールが来て「いっちょ、やろうか」と思い立ち、毎週土曜日に参加している。「週末は応募が多いので締め切られないように急いで申し込む」という。
 仙北市によると、市内で床上・床下浸水した民家は36軒。市社会福祉協議会の門脇由香子事務局長は、6日現在で「半数が土砂撤去などの作業が必要」と話した。雨でできなかったり、暑さで休みながらだったりするが、10日までに延べ500人以上のボランティアが参加、ほぼ必要な人数を満たしている。「データを取っていないが、県社協への事前登録者も少なくない」と話す。
 支援センターによると、7月下旬から年度内に300人を目標に事前登録者を募集。水害発生前は100人ほどだった登録者数は発生後に急増し、9月8日現在ですでに414人に達している。
 その他、支援センターから現地に職員が派遣され、必要な資材の補給やボランティアセンター運営の助言などもしている。また、同市以外にも秋田県内各地で被害が出ているため、状況把握にあたっている。県社協の職員は「常設機関ができたことで、人的体制が整い、災害への意識も高くなり対応も迅速になった」と話す。
 支援センターでは今後、BCP(災害時の事業継続計画)などの研修や、個々の被災者の生活再建に「伴走」する「災害ケースマネジメント」ができる人材を育成するとともに、平時からネットワークの構築を進める。
 ボランティアの事前登録は、秋田県社協のHP(https://www.akitakenshakyo.or.jp)から。仙北市社協への問い合わせは(0187・48・2940)。(東野真和)