活動レポート

障がい者施設に携帯トイレ・衛生用品を届けています:能登半島地震

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掲載日 2024.01.11

特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)

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「こういうのが欲しかった!ずっと髪を洗えていなかったので」

能登半島地震の発生から1週間余り、被災地では厳しい避難生活が続く中、断水によるトイレ不足、インフルエンザやノロウイルスの蔓延など衛生状態が悪化しています。AAR Japan[難民を助ける会]は緊急支援チームによる炊き出しに加え、当会と連携する企業からご提供いただいた非常用の携帯トイレ、衛生用品などを障がい者施設に届けています。

輪島市の社会福祉法人弘和会が運営する地域生活支援施設「ウミュードゥソラ」は、障がい者の短期入居などを受け入れていますが、今回の地震で福祉避難所としても機能し、避難所での生活や車中泊が難しい自閉症、発達障がいなどを含む様々な事情を抱えた被災者が身を寄せています。

飲料水や食料は何とか確保しているものの、支援物資は充分ではなく、AARは1月7日と9日の2回、株式会社モンベル(大阪市)から提供された非常用の携帯トイレ、株式会社フェリシモ(神戸市)の体拭きウェットタオルのほか、使い捨てカイロ、栄養ゼリーなどをお届けしました。

フェリシモの体拭きタオル、水のいらないシャンプーは、ちょうど施設に支援物資を受け取りに来た親子が「こういうのが欲しかった!ずっと髪を洗っていなかったので、もらって行っていいですか?」と少しほっとした表情でした。

自閉症の小学生の息子を持つ母親は、「震災直後に近所の避難所に行きましたが、息子はいつもと違う環境になじめず、不安になって大声を出すなど騒いでしまい、周囲の方から苦情を受けました。避難所を出て車中泊を試みましたが、やはり息子にとっては難しく、ガソリンも限られているため困っていた時、この施設のことを聞いて、寒さの中、夫が息子を連れて5時間歩いてここにたどり着きました」と泣き崩れながら話しました。

施設責任者の藤沢美春さんは「災害時に行く場所がない重い障がいのある人ほど断りたくありません。ここに来られていなかったら、どうなっていたか分かりません。避難生活は当分続きますが、ひとまず安心して過ごしてもらえれば」。この施設は近隣を含めた支援物資の集積場としての役割も果たしており、「この先の地区は車が入れず、徒歩で物資を持って行くしかないが、何とか皆で支え合っていくしかありません」と話します。

社会福祉法人徳充会(石川県七尾市)が運営する穴水町の障がい者支援施設「石川県精育園」は、震災で浄化槽や貯水槽などが損壊し、水が使えないため、トイレの利用や重度障がいを含む入所者のケアが非常に難しくなっています。AARは8日、モンベルの携帯トイレと小型テント(ポップアップブラインド)のセット、フェリシモの体拭きタオル、ペットボトル入り飲料水などをお届けしました。

職員の方は「利用者の皆さんの衛生ケアは、服を着たまま身体を拭くくらいしかできません。多くの職員が被災し、近隣の町の避難所から通勤して来る同僚もいて、とても厳しい状況です。いただいた簡易トイレや衛生用品を使って、利用者さんたちに少しでも安心して過ごしてもらえればと思います」と話します。

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