スペシャルインタビュー

  • 環境・動物愛護

【サンシャイン池崎さん】施設から迎えた保護猫2匹が人生を変えた

掲載日:2022.01.27

「イエーーーーイ」「ジャスティス!」などの絶叫が持ちネタ・決めぜりふのお笑い芸人・サンシャイン池崎さん。

私生活では保護猫施設から迎えた2匹の猫「風神(風ちゃん)」「雷神(雷ちゃん)」を育てる里親で、2匹との日々を発信するYouTube「ふうちゃんらいちゃんねる」はチャンネル登録者数が約30万人。動画配信で得られた収益を保護猫のために寄付するなど、動物愛護の活動にも熱心です。

2匹との暮らしについて、また、2匹をきっかけに携わることになったボランティア活動について、お話をうかがいました。

雷ちゃんだけ迎えるつもりが…「2匹いきます!」

――2匹の名前の由来について教えてください。

2匹で引き取る形だったので、何かセットになる名前がいいというのと、「風神」「雷神」ってかっこいいなと思って付けました。黒い毛が入った女の子が風ちゃん、黄色がかった毛の男の子が雷ちゃんです。

性格もいい具合に対になっていて、風ちゃんは結構ツンデレで、たま~に甘えてくる性格。雷ちゃんはすごく甘えん坊で、かまってちゃんなタイプです。

――風ちゃん・雷ちゃんとの暮らしはどうですか。

いやぁ、毎日が最高ですね(笑)。朝は起こしてくれるし、仕事終わって疲れたなという時は優しく癒してくれる。2匹がいない生活は考えられないですね。

――SNSでも2匹の人気はすごいですよね。

2匹はテレビにも出ていて、Twitterのフォロワー数も、僕の公式アカウントより猫について呟く「裏アカ」の方が多いですね。Instagramにも「もっと風ちゃん・雷ちゃんの写真をあげてほしい」というメッセージが届いたりして、プレッシャーが半端じゃないです(笑)。

風ちゃん・雷ちゃんの写真を見ながらインタビューに応じる池崎さん

――2匹との出会いについて教えてください。

風ちゃん・雷ちゃんがまだ赤ちゃんだった3年前、保護猫施設「猫の森」から迎えました。

――最初から保護猫を飼うと決めていたんですか。

「猫を飼いたい」と知り合いのタレントさんに相談したら、その人がたまたま「猫の森」から何匹かを引き取っていた繋がりで紹介してもらいました。僕の地元では家によく野良猫が来ていて、小学校の頃からごはんをあげたり遊んだりしていたので、野良猫や保護猫を身近に感じていましたね。

実家では、屋根裏に入り込んだ野良猫が天井を破って寝ていた父の顔に落ちてきたこともありました(笑)。最高でしたね(笑)。

――猫が大好きなんですね。

ワンちゃんも嫌いじゃないですけど、僕には猫の方が合っていますね。自由気ままなところがいいです。グイグイ来すぎない距離感もいいですね。

――最初は2匹を引き取るつもりはなかったそうですね。

もともとは雷ちゃんだけ1匹を飼うつもりでした。事前に「猫の森」にいる子猫の写真を見せてもらって、第一印象でいいなと思ったのが雷ちゃんでした。でも引き取りに行ったらモフモフ、ふわふわの風ちゃんが走り回っていて、それがもうめちゃくちゃ可愛くて、「うわぁ~どうしようかな~」って。悩んでいたら「猫の森」の代表の方が「2匹いけば!」と背中を押してくれて、勢いで「2匹いきます!」って決めましたね(笑)。

2匹がきっかけで始めた「お世話ボランティア」と「寄付」

――猫のお世話をするボランティアにも定期的に行かれていますよね。

2匹がすごくいい子だったので、出会わせてもらった恩返しがしたくて、時間ができると「猫の森」に行っています。

――どんなお世話をされているんですか。

施設には常時30~40匹の猫がいて、ケージやトイレを掃除したり、ごはんや水を補充してあげたり、お薬が必要な子にはごはんに混ぜて飲ませてあげたりっていうのが主なお世話ですね。そのあとは自由にねこじゃらしとかで遊んであげる、ご褒美の時間です(笑)。

――お仕事が忙しい中でお世話ボランティアを続けられる秘訣は何でしょうか。

僕は「ボランティアやるぞ」という感覚ではなくて、楽しくて行ってる感じですね。明日休みだなっていう時に「明日行っていいですか?」と電話して、後輩2人くらい車に乗せてドライブがてら行って、猫ちゃんたちと触れ合って、あとは後輩と昼飯食って帰るみたいな。本当に楽しんでやっているので続けられてるんだと思いますね。

――YouTubeチャンネル「ふうちゃんらいちゃんねる」では収益を「猫の森」に寄付していますよね。

お世話ボランティアに行くようになって、保護猫活動にはとにかくお金がかかるということを知りました。例えば、多頭飼育崩壊で一度に30~40匹を引き取ると、全員にシャンプーをして、薬をあげて、去勢や避妊手術をします。病気を持っている子も多いので、治療費も必要です。病院代が一番の負担だと聞きました。

そこで、YouTubeで「ふうちゃんらいちゃんねる」を立ち上げ、収益を寄付することにしました。仕事があってお世話ボランティアには頻繁に行けませんが、YouTubeならわりと気軽にできるし、僕自身も楽しんでやっています。「見るだけでボランティアになるなら」とチャンネル登録してくれる方もいるみたいです。

ある程度集まったタイミングで「猫の森」に寄付したところ、本当にすごく喜んでもらえて、やってよかったな、役に立てたんだなと嬉しかったですね。

始めるきっかけは「楽しそうじゃん」でOK

――里親、お世話ボランティア、寄付。池崎さんはさまざまな形で保護猫の支援ボランティアをされているんですね。

言われてみれば確かにそうですね。でも最初からボランティアしようとしていたわけではないです。僕はただ猫が好きで、なんとなく「やってみようかな」と始めたら、色々な支援の形があることを知りました。最近だと子猫にミルクをあげる「ミルクボランティア」っていう活動をすすめてもらって、「それも楽しそうじゃん」みたいな。

始めた活動をきっかけに他の活動を知れる可能性もあるので、楽しそうだなと思うボランティアがあったら気軽に始めてみるのがいいと思いますね。

――風ちゃん・雷ちゃんと出会って変わったことはありますか。

人生の分岐点になりましたね。やっぱり世間からのイメージが大きく変わったかなっていうのがあります。常に大声を出す芸風なので、普段から叫んでるって思っている方もたくさんいるんです(笑)。でも、猫との暮らしがテレビでも取り上げられて「池崎って動物に優しいんだ」と思ってもらえるようになりましたね(笑)。

生活もガラッと明るくなりました。朝も叩き起こされるし、家に帰れば「ごはん、ごはん」と寄ってきてくれるので、賑やかな日々です。気持ち的にも「風ちゃん・雷ちゃんがいるからもっと頑張らないと」と張りが出ました。

一緒に暮らすようになって3年がたち、「家族」感が強くなってきていますね。風ちゃんも心を許してくれているのが伝わってくるし、雷ちゃんなんて名前を呼ぶと返事をしてくれるので、そろそろしゃべるんじゃないかなって(笑)。

寄り添う風ちゃん(左)と雷ちゃん(右)